2023.03.01

連結会計

開示・連結決算

DivaSystem LCA

ノンカスタマイズ導入を実現し運用コストを削減 ~連結会計システムのグループ一元化で<みずほ>グループ一体運営を体現~

株式会社みずほフィナンシャルグループ

みずほ銀行、みずほ信託銀行、みずほ証券などの金融グループ企業によって構成される株式会社みずほフィナンシャルグループ(以下 みずほFG)。国内外百数十社のグループ企業を有する日本屈指の総合金融グループです。

みずほFGでは、連結決算システムのリプレイスに伴い、主要グループ会社の連結決算システム一元化を目指してDivaSystem LCAをご導入いただき、2022年4月に本番稼働がスタートしました。

今回の導入における検討期から導入フェーズ、導入後の効果について、みずほFG 主計部 連結チーム(導入当時)の古居 義昭様、同 石丸 周様、同 小丸 優希子様、同 太田 颯生様、にお話をうかがいました。

主計部 連結チーム(導入当時) 古居 義昭 様
主計部 連結チーム(導入当時) 石丸 周 様
主計部 連結チーム(導入当時) 小丸 優希子 様
主計部 連結チーム(導入当時) 太田 颯生様 様

写真左から:古居様、小丸様、太田様、石丸様

  • 導入前の課題

    • 非効率だった連結決算業務

    • 10数年前に導入した以前の連結決算システムは、各種制度・規制が変更される度、連結決算システム外を経由する情報収集が年々積み重なっていた。また、システムの外側で収集した情報は、マクロで集計し、別途報告内容の整合性チェックをするなど、作業の煩雑化・非効率化が発生していた。

    • システムの仕様変更時に発生するコスト

    • 以前の連結決算システムでは決算報告パッケージへの報告項目追加の変更でもベンダーに改修を依頼しなければならず、機動性に欠け、コスト面でも課題があった。

  • 導入効果

    • オンライン報告によるリアルタイム収集・チェック効率化

    • グループ会社各社からオンラインでリアルタイムにデータ収集・データチェックができるようになり、作業の効率化が図れた。

    • ノンカスタマイズのシステム導入でコスト削減

    • ノンカスタマイズでシステム導入したことで、今後の制度・規制変更対応も機動的かつ低コストで対応可能に。また、報告パッケージの変更も自力で対応可能に。システム運用の柔軟性が増し、コストの削減につながった。

システム選定の一番のポイントは「ノンカスタマイズ」

――DivaSystem LCA導入のきっかけについて教えてください。また、当時課題に感じていたのはどんなところでしたか?

古居様 検討当初はデジタル化推進の機運がグループ全体において高まっていた一方、我々のチームでは既存の連結決算システムが課題となっていました。当時は連結決算の報告をグループ100社以上からExcelで収集していましたが、グループ会社から直接連結決算システムにアップロードすることができず、主計部で連結決算システムにアップロードをしていたことや、一部の報告については、マクロ集計をするなど、作業効率が悪く、報告をもらう段階できれいにデータベース化すべきという課題認識がありました。
 
そんな中、当時利用していた連結決算システムのライセンスのサポートが2025年で切れるという話があり、本格的にリプレイスの検討を始めました。

――グループ各社で使っているシステムが違っていたことも課題の一つだったとうかがいましたが、そうした点もリプレイスのポイントになったのでしょうか。

古居様 正確には、リプレイスの検討を始めてからみずほ証券のシステムの一体化も考え始めたという順番でしたが、グループ全体でシステムを一元化できないかという話は確かにもともとあった課題の一つでした。
 
元々、我々のグループでは”グループ力No.1<みずほ>”をビジョンとして掲げており、それを連結決算業務でも体現できるいいチャンスだと捉えました。

――DivaSystem LCAを採用されたポイントや経緯を教えてください。

古居様 一番のポイントは、ノンカスタマイズで我々の要求機能を実現できるかどうかでした。銀行勘定科目ベースの日本基準の決算、米国基準の決算のほか、税務ガバナンスの報告収集、自己資本比率の計算、みずほ証券における証券科目ベースの連結決算、など、要件が非常に盛りだくさんな中、それらをノンカスタマイズで実現できるシステムだったことが大きかったと思っています。
 
というのも、従来使っていたシステムはカスタマイズが多く、会計基準の変更対応や報告項目の追加等でさえも、ベンダーにその都度お金を払わなければメンテナンスができないシステムでした。ノンカスタマイズのシステムを導入することで、定期的なバージョンアップを行うことで会計基準変更の対応ができること、また、報告パッケージを自分たちで新規に作成したり、項目の追加なども柔軟にできることは、コスト面のメリットを強く感じました。

――導入検討段階でのやりとりで、印象に残っていることはありますか?

古居様 営業担当、コンサルタントの方々含めて、非常にスピード感があると感じていました。また提案内容も、今の業務やシステム仕様に合わせて、カスタマイズの方向に持っていくのではなく、ノンカスタマイズという当社の一番の要件を踏まえて標準機能を最大限に活用した提案をしてくれたことが非常に印象に残っていますし、そこにプロフェッショナル意識も感じました。

オンラインでも(だからこそ)乗り越えられた導入フェーズ

――導入のフェーズにおいてご苦労されたことはありましたか?

石丸様 旧システム内の仕訳データを完全に移行するという話だったのですが、古いシステムだったためにどうしても詳細な内容がわからない仕訳データがあり、それをどう入れていくかという検証が最初のネックでした。また、自己資本比率算出業務を始め、様々なデータを多岐に扱わなければいけないですとか、みずほ証券の連結、またサブ連結もあり、それぞれで微妙に仕訳の入り方が違ったりするところもあったので、それらをどのように移行し、合わせていくのかというところは、正直しんどかったです。試行錯誤しながらデータ移行を進めていきましたが、一回ではスムーズにいかず、アバントのみなさんにもお手間をおかけしながら何回も入れ直し、なんとかやりきったなというところでした。アバントのみなさんには、非常に的確に、また丁寧に何度も何度も教えていただきました。なんとかリリースすることができたのはそのおかげだと思っています。

――特に序盤、要件定義のフェーズでは、週に何度もミーティングをされたそうですね。

石丸様 まさに連日、しかも1日に2セッション、3セッションが当たり前で、1日の大半が要件定義のミーティングという日もありました。ただ、コロナ禍によりオンラインのミーティングになったことで参加者が集まりやすくなるなど、プラスに働いた面もありました。むしろオンラインでなければこなせなかったのではないかと思います。

小丸様 苦労した点ということでいえば、私はグループ会社からのDivaSystemへのオンライン接続のフォロー担当をしていたのですが、グループ会社で使用しているイントラ環境が異なることや個別設定などの都合で、なかなかDivaSystem LCAへの接続ができないことが多くありました。特に海外は時差の関係もあり、1社1社、接続ができない原因を突き詰めて対応するのは非常に時間がかかる作業で、わからないことがあるたびにアバントさんへ問い合わせをしてしまいましたが、一つひとつ丁寧に確認していただいたので、最終的には海外も含めてほとんどのグループ会社がDivaSystemに接続することができるようになりました。

システム一本化でデータの整合性が確認しやすく

――実際の運用の中ではどのような変化が見られますか? また、当初実現したかったことは実現できているでしょうか

石丸様 導入前に考えていたところができているという点ではやはり、EIGSによるデータ収集が基本となり、個別のExcelによるデータの収集がほとんどなくなった点がまずは大きいと思っています。また、DivaSystem LCAに格納されたデータをExcelへ直接出力してユーザ定義レポートを作成するモジュールをうまく使うことで、ひとつのワークシートで計数の集計を完結できるようにもなってきました。
 
システム的な話では、ちょっとした作業でもベンダーにアウトソースしなければならなかったシステムの変更が自分たちでできるようになり、それによってスピード感を上げて対応できるようになったことも大きな効果です。

太田様 業務効率化の面では、グループ会社からのデータをリアルタイム・オンラインで収集するためのモジュールのチェック機能によって、各報告のチェック内容を自分たちで設定できるようになり、以前よりも全体の報告物のチェック時間が短縮されていると思います。また、そのチェックの際、今までは紙で刷り出して確認していたのですが、システム上で確認できるためペーパーレス化が実現しました。
 
システム面での変化については、DivaSystem LCAの拡張モジュールの機能で、用途に合わせてデータの出力方法を変えることができ、業務に合わせて使いやすくなったと感じています。
 

古居様 米国基準決算においては、従来のシステムでは日本基準決算が確定しないと米国基準の決算作業が開始できなかったところ、DivaSystem LCAに変えたことで一部の作業を日本基準決算の確定を待たず、前倒しで作業ができるようになりました。またみずほ証券に関しては、システムの一元化ができたことが非常に大きいと思います。以前は銀行の勘定科目の精算表と証券科目の精算表の整合性確認をシステムの外側でExcelを使って行っていましたが、一つのシステムになったことで、整合性の確認も効率よく行えるようになりました。

――オプションのサポートサービスもご利用されていますが、ご利用の経緯やご活用状況について教えてください。

古居様 当社専任のサポート担当者が2人つくと伺っていたので、ノウハウの蓄積とスピーディーな対応を期待して利用を検討しました。実際に利用させていただいていると、やはり、当社のシステムについて詳しくない方に質問するのと、当社のシステムを専任で理解している方に質問するのとでは、こちらの負担感もかなり違うと感じています。決算作業は日繰りで日程が組まれているスケジュールが非常にタイトな作業なので、スピードを重視する意味でも利用する価値はあると思っています。
 
太田様 私も実際利用していますが、いつもスピーディーにご回答いただけてありがたいです。日をまたいだ質問になってしまった場合でも、「昨日の続きで」というところからまたお話ができるので安心です。

経営に資する情報の収集・提供にも役立てたい

――今後、管理会計もしくはグループ経営の領域で何か検討されている新しい取り組み、改善したいポイント、アバントに期待することなどがあれば教えてください。

古居様 DivaSystem LCAは子会社すべてからデータを集められる「インフラ」でもありますので、例えば月次の報告をもらってそれを管理会計に活かすなど、経営に資するような情報の収集・提供に役立てていけるとより良いのかなと期待しています。

担当コンサルタントからのコメント

今回ご支援させていただいた領域としては制度連結会計と税務領域にスポットを当てました。今後の展開としては、事業管理領域やグループ経営管理領域でのご支援も行っていきたいと思います。
アバントとしては引き続き伴走しながら、今後ともお客様の企業価値向上のために向けたサービスを提供していきます。

※取材年月 2022年9月
※文中に記載されている数値など情報は、いずれも取材時点のものです。
※新型コロナウイルス感染防止対策を行ったうえでインタビューをしております。

会社名:株式会社みずほフィナンシャルグループ (Mizuho Financial Group, Inc.)
設立:2003年(平成15年)1月8日
本社所在地:大手町本部(本社)〒100–8176 東京都千代田区大手町1丁目5番5号(大手町タワー)
事業内容:銀行業務、信託業務、証券業務、その他の金融サービス
従業員:単独:2,072人 連結:52,420人(2022年3月31日現在)
グループ会社数:連結子会社163社/持分法適用関連会社24社/持分法適用外関連会社1社(2022年3月31日現在)
資本金:2兆2,567億円(2022年3月31日現在)
売上高:3兆9,630億円(2022年3月31日現在)
URL:https://www.mizuho-fg.co.jp/
※2022年9月 取材当時の情報です


導入製品

※導入製品についてのお問い合わせは、「お問い合わせ」からお願いいたします。

導入事例集ダウンロード

導入事例集のダウンロードはこちらから