2014.07.09

連結会計

開示・連結決算

DivaSystem LCA

3ヵ年計画の業務改革で経理財務の作業フローを再構築 自ら実践しノウハウを蓄積することを重視した改革のプロセスを経て会計システムの更新や強化に留まらない効率的な業務基盤を整備

JBCCホールディングス株式会社

IT活用のためのサービス提供、各種製品販売、開発製造などを手掛けるJBグループは、国内12社、海外4社(2014年4月末現在)の事業会社が各々の持ち味を活かして連携し、2万社を超えるお客様の経営やIT活用の課題解決をトータルに支援している。

事業会社の1つでコーポレートスタッフとして経理財務の業務を担っているC&Cビジネスサービスは、現在3ヵ年計画で業務改革を進めており、会計システム全体の見直しにも着手。

経理財務の情報が集約される連結決算には、DivaSystemを活用している。

  • 導入前の課題

    • 手作業やExcel による個別処理など、会計システムの仕様に起因する非効率な業務を改善したいと考えていた。

    • スタッフ専門会社として、従来よりもさらに業務効率や生産性の向上を求められていた。

    • 事業会社の増加、IFRS対応など、今後の事業展開を支える業務基盤を整備したいと考えていた。

  • 導入効果

    • 会計システムに留まらず作業フロー全体を見渡した再編によって、非効率な業務をなくし、生産性、対応スピードの向上を実現している。

    • 利用ツールや業務フローの統一を進めたことにより、グループ全体の業務標準化に向けた基盤が整った。

【導入の経緯】従来の業務プロセスにおける課題を再確認
効率性、生産性を高め、リスクを抑えるべく3ヵ年計画で業務改革に取り組むことに

C&Cビジネスサービスは、JBグループの各事業会社から専門スタッフを集め、JBCCホールディングスのコーポレートスタッフとして経理財務、人事総務、IT企画の業務を担当。また、2014年7月時点で事業会社6社の経理財務、人事総務、情報システム、業務サービスも支援している。スタッフ専門会社として、より高い生産性、効率性を求められている同社は、事業会社の増加も踏まえて業務プロセスを抜本的に改める必要があると判断。2012年5月頃に、これまでの業務プロセスを再確認して非効率な部分を洗い出し、課題を明確にした。C&Cビジネスサービス株式会社 執行役員 経理財務担当の髙橋保時氏は次のように話す。

「一般に経理財務部門というと保守的で変化を好まない傾向がありますが、最初にしっかり取り組むことが今後にもつながると考えていました。現状業務の棚卸調査に3 ヵ月ほどかかりましたが、これが現在も続く業務改革の基礎になっています。」

経理財務業務の中で課題となったのは、手作業やExcelによる個別処理の増加と、それに伴う内部統制リスクの拡大、会計制度の変更への速やかな対応だった。これらはすべて、JBグループとして2000年代前半に導入した会計システム(ERP基幹システム)に起因していたと髙橋氏は話す。

「経理財務部門はERPの選定に関わっていませんでしたが、自動で仕訳ができるので会計システムとして使うことになっていました。ただ、他の業務部門の要請でカスタマイズが進んだ結果バージョンアップが困難になり、新しい会計制度への対応や帳票機能の拡張などができなくなっていたのです。そのため、手作業やExcelを使った個別処理が年を追うごとに増えていき、業務の時間や手間、工数の大幅な増加をもたらしていました。
2008年頃から内部統制に向けた取り組みが求められるようになり、監査法人からも同様の指摘を受けました。事業会社も増えてきて、業務の効率化、品質の向上、内部統制におけるリスク最小化、コスト削減といった課題を解決する必要性が非常に大きくなったわけです。」

【プロセス】会計システム全体の見直し、再編も着手
単なる機能の追加や拡張ではなく目的や用途を踏まえた対応を重視

JBグループでは連結決算システムとしてDivaSystemを1999年から2000年にかけて導入しており、現在も利用している。今回の業務改革に伴い、より高い効率性を実現するためにWeb経由のデータ入力などいくつかの機能(モジュール)を追加した。これにより、二重入力や承認プロセスの錯綜を解消できたと髙橋氏は話す。

「以前は各事業会社が取りまとめた会計データをExcelの共通フォームに入力しメールで送付してもらい、それを再度DivaSystemに入力していました。実は前にもDIVAからWeb入力の提案を受けていたのですが、そのときは事業会社数も少なく見送っていたのです。業務改革を進めるにあたり、やはりこの機能は必要と考えて、改めて提案をお願いしました。Web入力によって当社、各事業会社ともに作業負担を削減できただけでなく、ステータスの管理も容易になりました。従来はデータの確認、承認などで事業会社ごとに電話とメールをやり取りしていましたが、今ではデータの入力から承認までのプロセスが見える化できて、一連の業務がスムーズになっています。」

今回の業務改革で、基幹システムに依存していた会計業務を切り離し、会計制度の変更などに速やかに対応できる基盤を再整備した。DivaSystemは連結決算部分を担う重要なコンポーネントとして、引き続き運用していく。連結決算の前段階にあたる個別決算システムは事業会社で異なるものを利用していたが、こちらも現在統一を進め、個別決算システムとDivaSystemのデータベースを直接連携する機能を活かしている。また、経費や旅費の申請もワークフローツールによる自動化が図られ、経費などの入力(外部仕訳)、各事業会社の個別決算、DivaSystemによる連結決算、さらに集計データを用いたレポート作成やBIツールの活用まで、一連の業務の流れをトータルに整備した。経理財務部門として、自分たちが使いやすいものを選び、組み合わせて使うというコンセプトの下、導入作業もほぼ自前で行ったと髙橋氏は話す。

「少し前までは、各システムやソフトウェアを連携させるためのプログラムを自社開発していましたが、今は個別決算、連結決算、ワークフローなど、すでにしっかりした製品があるので、それらの機能を活かしてツールにより“データをつなぐ”ことを重視しています。

単に新しいソフトウェアにするとか、ちょっと機能を足してみようというレベルではなく、シンプルかつ機能的に、また、規定や運用も見直すという視点で、実際の目的や用途と紐づけながら継続的に取り組むことが重要です。経営陣への稟議でも、工数や効果を具体的に示すことで、より説得力が出ます。実は私自身、最初は会計ソフトを更新すれば課題は解決できると思っていました。しかし、きちんと踏み込んで検証していくと、それだけでは足りなかったわけです。棚卸をして、工数を分析したら終わりではなくて、自分たちが困っていることを自分たちで直していこうという気構えで取り組んだことが大きいですね。自ら実践して、よりよい使い方を見出していくことで得られたノウハウは、今後のビジネス展開にも役立つと考えています。」

【導入効果~今後の展開】全体の目標達成率は70%
3年目に向けてフローの統一をさらに進めてグループ全体の業務標準化を目指す

同社の業務改革は2年目を迎えて、全体の70%ほどを達成しているとのこと。連結財務諸表の作成時にやむなく会計システムの外で(手作業で)計算していた部分や、各事業会社の月次報告書の収集、集計、レポート出力などが自動化され、現在の時点でも大幅な効率化を実現している。スタッフの満足度、改革への意識も着実に高まっているという。

今後、3年目に向けて、DivaSystemを活用したIFRSへの対応やグループ統合会計への取り組みを進めていくと、髙橋氏は話す。個別決算システムとDivaSystem間の科目統一、各事業会社における会社コードの統一なども、これからの課題として挙がっている。

「今は連結決算が中心になる時代です。経理財務としては、連結決算を担うDIVAがゴールであり、すべてのデータが集まってきます。そこに至るまでの流れを整えることで、グループ全体の業務を標準化したいと思っています。
また、管理会計(BIツールとの連携)は今のところ個別会計システムのほうがメインですが、これからはDivaSystemに集まる連結のデータを活かして、グループとしての経営管理を発展させていくことも目標です。DIVAは、Web入力に留まらず業務のさらなる効率化について、こちらの計画や日々の状況を踏まえた上で無理なく対応できる良いプランを提案してくれました。これからも優れた製品やコンサルティングをはじめ、業務改革を支えるパートナーとして協力をお願いできればと思います。

※取材年月 2014年7月
※文中に記載されている数値など情報は、いずれも取材時点のものです。
※本記事は当社商号が「株式会社ディーバ」当時に作成されたものです。

会社名:JBCCホールディングス株式会社
設立:1964年4月1日
本社所在地:東京都大田区蒲田5-37-1 ニッセイアロマスクエア 15階
事業内容:情報ソリューション(サービス)提供、製品販売、製品開発製造
従業員:2,777名(連結、有期社員248名を含む、2014年4月1日現在)
グループ会社数:16社(国内12社、海外4社、2014年4月末現在)
URL:https://www.jbcchd.co.jp/


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