グループ経営管理
連結会計
開示・連結決算
DivaSystem LCA
サブ連結を含む連結数値情報をタイムリーに取得 ~DivaSystem LCA導入で親会社・海外統括会社 双方の業務効率化を実現~
クリヤマホールディングス株式会社/KURIYAMA OF AMERICA, INC.
日本国内においては建機・農機メーカーの Tier1 サプライヤーとして、また商業施設やスポーツ施設の総合床材メーカーとして事業を展開する一方、海外では北米・欧州・南米を拠点にホースメーカーとしてグローバルに事業を展開するクリヤマホールディングス株式会社様。連結子会社 19社(うち海外連結子会社 15社)、持分法適用会社 6 社(うち海外持分法適用会社 4社)で構成されています。
クリヤマホールディングス様には 20 年以上にわたりDivaSystem LCAをご利用いただいていますが、今回、海外連結子会社の一つである KURIYAMA OF AMERICA, INC.様がDivaSystem LCAを導入され、経営判断の材料となる連結情報の早期報告を実現しています。その取り組みについて、親会社、子会社それぞれのお立場から語っていただきました。
クリヤマホールディングス株式会社 財務部 副部長
(兼)クリヤマジャパン株式会社 管理本部 経理部 部長
(兼)主計グループ グループマネージャー
(兼)連結グループ グループマネージャー
北野 貴之 様
KURIYAMA OF AMERICA, INC.(KOA)
副社長 中山 哲男 様
Controller 小松 正通 様
Accounting Manager Colten Bicknese 様
上記写真はクリヤマホールディングス株式会社 北野様
所属・役職は取材当時のものです
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導入前の課題
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【親会社の導入前の課題】煩雑な手作業での連結決算業務
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海外統括会社から届いたExcelをもとに直近の月の累計から前月の累計を手作業で差し引く手順で単月次データを作成していた。
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Excel で作成されたデータを手作業でDivaSystem LCAに転記するなど非効率な業務が多かった。
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【海外統括会社の導入前の課題】業務の継承と属人化の懸念
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長年経理業務を担ってきた現地スタッフの退職に伴い、業務の円滑な継承と属人化防止の対策が必要だった。
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導入後の効果
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【親会社の導入後の効果】情報の見える化で、迅速な経営判断が可能に
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親会社が代行していた、海外統括会社のサブ連結における単月次連結データの作成をシステムで自動化し、業務効率を実現した。
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連結決算情報がDivaSystem LCA上で見える化されたことで、経営戦略を迅速に分析・判断できるようになった。
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【海外統括会社の導入後の効果】連結決算業務が効率化し時短を実現
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メールでのやりとりにより生じるストレスが軽減。同時に業務が効率化され、サブ連結業務日数を約3日短縮した。
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まずは、親会社であるクリヤマホールディングスの北野様に、導入前の課題と導入後の効果を語っていただきました。
手作業の連結決算業務で二度手間、三度手間が発生
――DivaSystem LCAの導入は、クリヤマホールディングス様と KURYAMA OF AMERICA様(以下、KOA)
どちらからの提案だったのでしょうか。
北野様 KOA側からの提案です。クリヤマホールディングスでは 20 年以上前からDivaSystem LCAを活用していますが、KOA に副社長として出向している中山は、日本での業務においてDivaSystem LCAに慣れ親しんでいたこともあり、導入の相談がありました。
――親会社として導入前に抱えていた具体的な課題を教えてください。
北野様 海外各地域の中核事業子会社はその傘下のグループ会社と連結業績を作成しており、それぞれで会計監査を受けています。ホールディングスではその中核事業子会社で作成された連結業績を収集し、いわゆるサブ連結システムにて連結業績を集約したうえで、最終的にグループ全体の連結決算を作成しています。 従って、各中核事業子会社の連結決算をいかに早期化できるかが重要となります。
しかし、現地法人との連結決算業務は長年 Excel を使って手作業でおこなっており、ExcelからDivaSystem LCAへの転記は非常に煩雑でした。すべてのデータを一つひとつDivaSystem LCAに変換する手間がありましたし、それによって時間的なロスが生じることでタイムリーに情報を見ることもできませんでした。
さらに、当社では単月次の連結情報も作成していましたが、中核事業子会社から届いたExcelをもとに直近の月の累計から前月の累計を手作業で差し引く手順で単月次のデータを作っていたため、二度手間、三度手間の非効率がありました。
作業の結果だけでなく進捗状況も見える安心感
――導入のプロセスにおけるアバントの対応はいかがでしたか?
北野様 システムを導入・利用するのは KOA の従業員です。KOA では英語が共通言語ですから、効率良く操作するためには英語での伝達やプレゼンが欠かせません。その点、アバントのスタッフのみなさんが間に入り、現地従業員に対して英語で丁寧に指導してくれたこと、また英語の詳細な手順書を作ってもらったことで、円滑に導入できたのではないかと思います。
――導入の効果についてどのように感じていますか?
北野様 KOAで作成された連結数値情報をタイムリーに確認し、情報を取得できるようになったため、連結決算の作業時間を大幅に短縮・早期化できています。すべてシステム上での操作となったため、作業の結果だけでなく進捗状況もよく見えて安心です。Excel の場合は送られてくるまで作業の進捗がわからず焦ることもありましたが、そうした不安もなくなりました。また、情報が見える化されたことで、経営戦略における迅速な分析や対策、経営判断にもつながっています。
また、単月次の実績を出す際、以前は KOA が作成した Excelをもとに、直近月の累計から前月の累計を手作業で差し引いてデータを作成していましたが、その作業工程もDivaSystem LCA上で自動化できるようになり、非常に助かっています。
現在ホールディングスでは、月次連結予算、月次連結実績、連結業績年間上半期見通し、M&Aによる業績シミュレーションまで、機能をフルに使わせてもらっています。連結数値情報はグローバル化及び業容拡大の証として、また開示情報として重要ですので、引き続き有効活用できればと考えています。
――今後アバントに期待することを教えてください。
北野様 今回の導入では英語の操作マニュアルは充実したものを用意していただきましたが、英語のサポートサイトもあると良いのではないかと思っています。DivaSystem LCAを導入する企業の多くはビジネスのグローバル化を今後ますます推進していくでしょうから、海外現地法人もさらに増えるはずです。
そうなれば、日本のみならず海外でもDivaSystem LCAのシェアが高まり、より高度なサービスやサポート体制が求められるでしょう。その要望に応え、クライアントの経理業務効率化、高度化にさらに貢献していくことを期待しています。
続いて、子会社である KOAから、副社長の中山様、小松様、Bicknese様に話をうかがいました。
メールによる情報の更新・管理がストレスになっていた
――DivaSystem LCAの導入を提案された理由を教えてください。
中山様 2つあります。一つは、私自身の経験から、DivaSystem LCAが信頼できるソフトウェアであること。もう一つは、DivaSystem LCAに、連結決算にまつわるすべてのデータを集約させるための機能が備わっていたことです。ただ、その当時は、私は現場でシステムを操作する立場になかったので、この2つの要素を経理チームに示したうえで、導入するかどうかの判断は彼らに委ねました。
小松様 中山の話を聞き、それまでやっていた非効率な手作業を最小限に抑えることを目標に、DivaSystem LCAの導入を親会社にお願いしました。ちょうど KOAで長く財務を担当していたスタッフが退職するタイミングだったため、知識と経験を継承し、その後の属人化を防ぐ意図も導入の背景にはありました。
――導入前に抱えていた具体的な課題を教えてください。
小松様 Excelの場合はメールなどでデータをやりとりすることになりますが、そのコミュニケーションにストレスを感じていました。メールのやりとりでは多くのコミュニケーションが行き交うため、そのぶん誤解やエラーも多く起こりがちです。また、何らかの情報が変更された場合はその都度新しいデータをメールで送る必要があるなど、情報の更新と管理が煩雑でした。
コロナ禍の完全リモートによるやりとりでもスムーズに導入
――導入の期間は新型コロナウイルスの流行による移動制限の時期と重なり、導入プロセスのすべてをリモートで
おこないましたが、不安や懸念はありましたか?
小松様 実装プロセスにおいては時差や言葉の壁があり、ただでさえストレスがかかります。それに加えてパンデミックによりアバントのみなさんが米国オフィスに来ることができず、非対面の難しさもありました。しかし、柔軟に導入のスケジュールを組んでいただいたおかげでスムーズに導入できました。
Bicknese様 私はDivaSystem LCAの導入には関与しておらず 、前任のマネージャーから業務を引き継いだ立場ですが、導入時のマニュアルと、DivaSystem LCAオペレーションマニュアルなど、操作に必要な情報がその時点ですべて文書化されていたため、学習もしやすく、スムーズに理解できました。
また、私自身もそうですが、英語でコミュニケーションを取る現地スタッフともスムーズにコミュニケーションを取っていただきました。
親会社・子会社間の多くの無駄を減らし効率化を実現
――導入の効果についてどのように感じていますか?
Bicknese様 使い勝手の良さや情報の正確さ、親会社との共有のしやすさなどから、導入におけるKOAの基本目標は達成できていると思います。
DivaSystem LCAでは、アップロードしたデータが簡単に共有でき、親会社からも同じデータにアクセスできます。何かを変更する必要がある場合も、システム上でデータを更新し、ホールディングスに対して簡単なメッセージで更新を知らせれば完結します。これにより、発生しがちだった多くの誤解を減らし、効率を高めることにつながっています。
操作方法は非常にシンプルかつ簡単です。また、検索機能が優れており、あらゆる画面を即座に起動できる点が素晴らしくよく利用しています。過去のレポートや情報の入力場所を簡単に見つけることができるこの検索機能だけでも素晴らしいシステムだと言えます。
この検索機能をアップデートし続ければ、より多くの方々に活用してもらえると思います。
――具体的にどの程度の効率化が実現していますか?
Bicknese様 サブ連結決算業務と親会社への報告業務を効率化でき、日数にして平均約3日間を短縮できています。
――今後アバントに期待することを教えてください。
Bicknese様 現状、課題は何もありません。十分過ぎるほどの効果が得られています。
小松様 導入の成功のカギは 3 つあると思っています。
一つは、アバントのスタッフのみなさんの丁寧な対応。2 つ目は Bickneseを始めとするKOAの経理チームが優れていること。3 つ目は、ディーバのシステムがとてもユーザーフレンドリーであることです。これからもさまざまなサポートをいただきながら活用したいと思います。
担当コンサルタントからのコメント
親会社であるクリヤマホールディングス様にDivaSystem LCAを導入いただいてから約20年、現在では制度連結の他に月次実績、予算等でもご活用いただいております。
今回は、子会社であり地域統括会社であるKURIYAMA OF AMERICA, INC.様で属人化を排除し、業務の引継ぎが行えるようにするため、また親会社から見た透明性向上のために、DivaSystem LCAを導入いただきました。導入から3年近く経過して主担当者が導入時メンバーから変更となっても、DivaSystem LCAを問題なくご利用いただけているということで、当初の目的が達成できていることを確認でき、嬉しく思います。
会社名:クリヤマホールディングス株式会社(英文社名:KURIYAMA HOLDINGS CORPORATION)
創業:1939 年 4 月 5 日 (設立:1940 年 12 月 21 日)
本社所在地:〒540-6325 大阪市中央区城見 1 丁目 3 番 7 号(松下 IMP ビル 25 階)
米国支社所在地: KURIYAMA OF AMERICA, INC.
150 N. Martingale Road, Suite 900, Schaumburg, IL 60173 USA
事業内容:
1. 各種産業用ホースをグローバルに製造・販売
2. 建設機械、農業機械向けにゴム・樹脂製品の製造・販売
3. 日本国内のスポーツ施設や商業施設向けに各種床材の製造・販売・施工
4. スポーツアパレルの販売
連結子会社 19社(うち海外連結子会社 15社) 持分法適用会社 6 社(うち海外持分法適用会社 4社)
資本金:7 億 8,371 万円
URL:https://www.kuriyama-holdings.com/
※2023 年 11 月 取材当時の情報です