2016.03.09

連結会計

開示・連結決算

DivaSystem LCA

DivaSystem導入により、月30時間の残業削減に成功 上場対応・海外グループ会社の増加によるExcel作業負荷をシステムで自動化し、マンパワーに依存しない体制づくりへ

パンチ工業株式会社

パンチ工業は、ビジネスの成長とグループ会社の増加を踏まえた株式上場を2000年代半ばから検討し、2014年3月に東京証券取引所市場第1部へ上場を果たした。上場に向けた社内の取り組みとして連結決算を行う必要が生じ、本格的に着手する中で業務負荷の増大など課題が顕在化していくこととなった。

管理本部 財務経理部 財務経理課 課長の岡安秀樹氏は、当時の状況を次のように振り返る。

  • 導入前の課題

    • 上場と海外グループ会社の増加のタイミングが重なり、経理メンバーの業務負荷・残業時間の増加が課題に

    • グループ会社が7ヵ国に点在し、複数の通貨をまたぐ取引により決算業務が煩雑化。連結決算業務はすべてExcelで行っていたため、数値のミスが避けられなかった

    • グループ各社からメールで送られてくるExcelパッケージのチェックや進捗管理が手作業では限界に

    • 組織や体制の変更が多く、上場を決めてから独自に培ってきた連結決算のノウハウの共有・引き継ぎが課題だった

  • 導入効果

    • 多くのプロセスが自動化されたことにより、一人当たり残業時間が月30時間削減

    • 連結仕訳処理がほぼ自動化され、業務に要する時間は約半分に

    • グループ各社からのパッケージ収集をオンライン化することにより、リアルタイムでWeb上からデータの確認・進捗管理が可能に

    • プロジェクトの中で連結決算業務のプロセスを見直し、独自の業務手順を減らして標準化。システム導入が業務そのものの見直しにつながった

    • 体制変更があっても、DivaSystemがあれば決算を乗り越えられる状態に

【導入の経緯】株式上場には連結決算が必要
グループ企業が次々と加わり業務負荷の増大が懸念事項に

「上場に向けた取り組みが本格化したのは2007年頃で、本社のほかに国内に1社、中国に数社のグループ会社という状況でした。各々単体での決算で連結はしておらず、上場には連結決算が必要と監査法人から指摘を受けたこともあり、Excel を使って対応を始めました。

その後、2010年にインド、2013年には東南アジアと海外拠点が増えて事業規模が大きくなってきたのですが、連結決算の経験が浅いうちからグループ会社がどんどん増えたことで、Excel による決算処理の限界を感じ始めたのです。一部の国(会社)は決算期がずれており、また7 ヵ国の通貨を扱う関係で非常にわかりにくい状態になっていました。Excel パッケージをメール添付でやり取りし、経営層に提出する月次の資料も数日かかりきりで何とかするなど、業務の負荷は非常に高かったですね。」

【選定・導入】シェアや実績を評価してDivaSystem一択で決断
従来業務の見直しも行う

今後グローバル展開をさらに進めていくことも考慮し、連結決算業務のシステム化が重要と考えた同社は、2013年末から連結決算システムの本格検討に入った。2014年3月にはDivaSystemの採用を決めたが、その理由を岡安氏は次のように話す。

「当時の上司(現在は取締役)が前職でDivaSystemを運用していた経験があり、DIVAの対応を含め優れたシステムであると推薦があったのです。そこで改めて調べたところ、国内でトップのシェアを持ち、大手企業への導入事例も多数あることがわかりまして、高い安心感と信頼感を持ちました。そのほかにも1 ~ 2社ほど製品情報を調べたりしましたが、やはりDIVAが一番良いと判断し、導入を決めました。」

導入を決定してから、実際のシステム構築の段階ではDIVAと1 ~ 2週間おきにミーティングを持ち、きめ細かく対応を進めたとのこと。その過程でそれまで行ってきた自社業務の再認識と見直しも進められ、良い機会になったと岡安氏は話す。当初はDivaSystemが持つ豊富な機能を活かして連結決算以外の業務にも応用しようと考えたが、最終的にはまず必要な部分に注力する判断をしたという。

「経験が浅い中Excel で頑張っていた業務フローや、上場のときに監査法人から指摘されたやり方を当たり前と思うようになっていました。DIVAとのやり取りを経て、実はそれが標準的なやり方ではなかったり、不要な労力をかけている部分があったりしたということが理解できたのは収穫だったと思います。
システムの導入は初期投資も相応に大きくなるので、社内稟議では豊富な機能を活かしていろいろなことができる、改善される、効果があるとアピールした面もありました。しかし、通常の業務を行いながらシステム化を進め、業務フローを変えていくのはとても負荷がかかります。導入をスタートしたのが2014年4月で、経理部門の業務がピークに差し掛かっていることもあり、今必要なところに絞って取り組むことにしました。」

【導入効果~今後の展開】業務時間の半減など確実な効果で社内の業務改革にも貢献
経営管理などへの活用を目指す

DivaSystemは2015年7月から正式に稼働を始めており、それまでメール添付で行っていたExcel パッケージのやり取りはDivaSystem EIGSでオンライン化された。グループ各社の入力内容の確認が容易になり、従来手作業だった連結仕訳もほぼ自動的に処理されることで、業務の負荷は大きく下がったと実感している。業務に要する時間もおよそ半分に削減されたとのこと。
管理本部 財務経理部 財務経理課の髙橋渚氏は次のように話す。

「グループ会社からのパッケージの入力状況がオンラインですぐチェックできるのは便利です。以前はExcelファイルをいつ受け取ったのか、どこに保存したのか、などを確認するのも大変だったので大きな改善です。グループ会社のほうでも同じようにオンラインで確認できますから、入力状況と内容の把握、ミスなどあったときの修正がとてもスムーズに対応できるようになりました。
DIVAは導入後のサポート対応も的確かつスピーディで本当に助かっています。担当者の入れ替わりなどで業務の引き継ぎを行ったときに確認したいことがあったのですが、すぐお返事をいただいて安心できました。」

岡安氏もDivaSystemによる業務効率の向上を実感していると話し、社内で進められている業務改革の取り組みとの相乗効果も期待している。

「7月に稼働を開始し、今年度の第一四半期(4 ~ 6月)決算でさっそく使いましたが、社内の体制がいろいろ変化している中でも業務に大きな混乱もなく、経営層への資料作成や監査、開示まで期限内にきちんと完了できたのは、やはりDivaSystemのおかげだと思っています。業務フローには従来からの流れで手作業の部分がまだ少し残っていますが、全体としての業務の継続性、スピードは大きく改善されています。
今、中期経営計画の重点経営課題の1つとして『働き方改革』を掲げていまして、その取り組みともうまくマッチしていると感じています。」

今後は一部グループ会社の期ズレの解消(決算期の統一)、IFRS への対応も視野に入れているとのこと。DivaSystemによる資料フォーマットの統一やデータ入力のさらなるシステム化、Formula-Xを活用したレポート作成の促進も進めていきたいと岡安氏は話す。DIVAが提供しているアウトソーシングサービスを利用して、社内業務の注力分野をシフトすることも考えているという。

「業務時間の短縮だけでなく、経営管理や分析により注力するなど、これまでできなかったことへの取り組みも検討しています。社内の改善活動に充てる時間を増やすといった考え方もあるでしょう。各社がDivaSystemへ入力する前に使っているフォームは微妙に異なっており、入力前に手作業が介在する部分も残っています。そうした部分のミスや精度の改善を図るために、システム化を進めていくことも課題です。今まで数時間かかっていたことが数分でできるようになるという具合に、より確実な仕組みを構築できればと思います。

導入時に駆け足で進めてきて、まだ業務を整理しなければいけない部分もあります。やるべきことはこれからさらに増えていくと思っていますので、そうした変化に着実に対応できるようにしたいですね。
DIVAの導入メンバーには弊社独自の連結処理に根気良く付き合っていただき、本当に感謝しています。今滞りなく業務に取り組めるのはDIVAのおかげです。引き続き支援をお願いしたいと思っています。」

※取材年月 2016年3月
※文中に記載されている数値など情報は、いずれも取材時点のものです。
※本記事は当社商号が「株式会社ディーバ」当時に作成されたものです。

会社名:パンチ工業株式会社
設立:1975年(昭和50年)3月29日
本社所在地:東京都品川区南大井6-22-7 大森ベルポートE館5F
事業内容:金型用部品の製造、販売
従業員:3,836名(2016年3月末現在)
グループ会社数:国内1社、海外12社(2016年3月末現在)
資本金:2,897,732,928円
売上高:367億円(2016年3月期)
URL:http://www.punch.co.jp/


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