2014.04.09

連結会計

開示・連結決算

DivaSystem LCA

決算期間の3〜4営業日短縮に成功し、連結会社の決算月統一を実現。各社とのコミュニケーションも強化して効果を上げる

住友ベークライト株式会社

プラスチック素材のパイオニアとして、より高度な機能を創出することで社会に貢献している住友ベークライトは、事業のグローバル展開を積極的に進めており、

世界15の国と地域(2014年3月末現在)に拠点を有し、多数のグループ会社と連携している。決算月の統一のために、決算業務の早期化を進めることが課題になった同社は、DivaSystemを活用してデータ収集から集計までの一貫したフローを整備し、期待以上の効果を上げることに成功した。

  • 導入前の課題

    • 連結パッケージのオフライン収集、手作業の確認/ 集計/ 登録による業務負担が大きかった。

    • 国内と海外の会社で異なっていた決算月の統一を進めるため、本社側でも決算業務の早期化が必須となった。

    • 連結パッケージの基本フォーマットは古く、過去からのつぎはぎでパッケージ入力者の立場から使いづらくなっていたため、見直しを考えていた。

  • 導入効果

    • DivaSystem EIGSで連結パッケージをオンラインで収集、登録し、そのまま集計作業まで行える業務フローを整えて3 ~ 4営業日の期間短縮を実現した。

    • 国内、海外の決算月統一を果たし、制度連結と管理連結の月ズレも解消した。

    • 連結パッケージのフォーマット改善と業務プロセスの改善により、連結子会社の入力段階でのエラー防止、頻繁な問い合わせなどのやり取りや照合作業が削減できた。

【導入の経緯】連結会社全体の決算月を統一するため
手作業で行っていたデータの確認や集計、DivaSystemへの登録を効率化したい

住友ベークライトは連結決算システムとしてDivaSystemを早くから導入しており、連結子会社から収集したデータ(連結パッケージ)の登録と集計に利用していた。ただ、データの確認と集計はほぼ手作業で行っていたため業務負荷が高く、効率的ではなかったという。

30数社ある連結子会社のおよそ2/3は海外にあり、海外子会社の決算月は12月であったため、制度連結上、親会社および国内子会社とは決算月が3 ヵ月異なる状況がしばらく続いていた。一方、管理連結は月次を揃えた形で処理をしており、制度連結と管理連結でもずれが生じていた。このずれを解消するために連結会社全体で決算月を統一することが決まり、業務効率化を早期に実現する取り組みが不可欠になったと経理担当者は話す。

「当時の課題としては、大きく2つありました。1つは手作業での確認や集計をやめて、業務を効率化することです。従来は各社のデータの大半をプリントアウトして集計しており、これに多くの時間をかけていました。決算月の統一に伴い、本社側で行っている収集、問い合わせ、集計という一連の業務を数日で完了させることが求められました。
もう1つは、連結パッケージの基本フォーマットの見直しです。長く利用しているうちにつぎはぎした部分が増え、入力ミスやエラーも起こりやすくなっていたので、整備し直す必要があると考えていました。決算月統一の方針が連結子会社に示されたのが2012年10月ごろで、2014年3月期決算には間に合わせるというスケジュールになり、準備期間が1年少しという短期間で取り組むことになったのです。」

【選定・導入】EIGSおよびFormula-Xを採用
子会社各社の対応をフォローするプロジェクトを立ち上げて積極的に展開

同社は以前に、オンライン経由でデータを収集できるDivaSystem EIGS(以下EIGS)をDIVAから提案されたことがあり、今回の課題解決に有効ではないかと考えて、改めて提案を依頼した。求める効果が得られると判断し、さらに今後の可能性も踏まえて導入を決断した。

「各社がデータを入力すると即座にDivaSystemに反映されて、それを自由な形でExcelフォーマットに書き出したり集計したりできるところが非常に魅力的でした。EIGSとFormula-Xを使うことで、自分たちの業務がどのように効率化されるのか、はっきりイメージできました。制度連結業務の早期化が主な目的でしたが、管理連結をはじめ制度連結の範囲に留まらない利用もできると考え、導入に踏み切りました。」

従来、海外の子会社が作成する連結パッケージは、のれんの償却などの処理を現地のルールに基づいて行っており、それを本社側で修正しDivaSystemに登録していた。EIGSの導入により、各社のデータがダイレクトにDivaSystemに登録できるようになったことを受けて、この処理と手順も改められている。子会社にとっては、これまで行ってこなかった日本(本社)の基準に合わせた会計処理とEIGSの使い方を覚える必要があったため、各社へ担当者が説明のため訪問するなど積極的に動いたという。

「各社でデータを作成、入力すれば、そのまま集計まで使えるようにすることが理想でした。その実現には各社の協力が欠かせませんし、業務上の負担が増えることにもなります。無理なお願いをすることになってしまいましたが、皆さんがグループの方針を理解されていて、スムーズに進められたのは何よりでした。連結パッケージ自体の見直しでは、入力に関するマニュアルも新たに作成しました。各社の担当者が入力しやすく、またわかりやすくなるように、お互いのコミュニケーションや運用面を踏まえて工夫しています。
結果として、今回のフォーマット改善とプロセス改善によって、本社の業務効率化だけでなく各社の入力段階でエラーを防ぐことができ、今まで頻繁にやり取りしていた確認や照合作業の削減につながっています。」

プロジェクトのメンバーは、同社の若手社員が主力となり、各社の経理担当者やDIVAとのコミュニケーションを通じて業務にまつわる経験や知見を深めることができたという。これも同社の狙いの1つだったとのこと。

「当社の上層部も、若い人たちにいろいろな経験をさせたい、良い機会を提供したいと常々思っていたので、今回のプロジェクトは格好の機会になりました。取り組みの過程ではトラブルもありましたが、実際に海外の会社を訪れて、現地の担当者と直接会って話をする機会はなかなかないので、今後のコミュニケーションがスムーズになるという効果もあったと思います。副次的な部分かもしれませんが、実は大きなポイントでしょう。」

【導入効果~今後の展開】期待した効果を確実に達成
グループ各社と若手社員の取り組みがプロジェクトを成功に導く

課題となっていた連結パッケージの見直し、決算業務の効率化は無事達成されている。今回のプロジェクトを経て業務プロセスや仕組みが変わったことにより、今まで気づかなかった新たな課題も出てきているが、それらを1つひとつ把握し、適切に対応していく段階に入っているという。

「EIGSを導入して1年が経ちますが、システムトラブルなどはなく、子会社からも大きな問題は上がっていません。海外の会社とのやり取りは時差もありますし、アクセス時間も異なるのでシステムの運用面で注意するポイントはありますが、互いにすり合わせて調整しています。」

本社側の業務効率化は、実質3 ~ 4営業日ほどの期間短縮が実現されており、データの収集から集計、開示までのスピードは確実に上がっている。これは社内でも確かな効果と認識されている。

「導入から1年でここまで来たのは、システムの効果もありますが、決算に対応するメンバーが充実してきており、彼らがスキルアップしていることも大きな要因です。決算月の統一という話が出た当時は先行きに不安を感じる人もいましたが、実際にやってみたら予想以上にスムーズでした。
この成功は、各社が真摯に協力いただき、さらにプロジェクトに取り組んだ若手社員の頑張りが加わったものと言えるでしょう。DIVAの提案や対応も、こちらの業務を的確に把握していて迅速でした。当社とDIVAの混合チームのような形で取り組めましたし、お互い若手のメンバーだったので、楽しく進められたと思います。

当社としては、EIGSを導入して終わりではなく、EIGSを設計するスキルを維持し、伝えていくことも重視しています。今後は管理会計のほうにも展開していく予定で、グループの資金管理などにもデータ収集ツールとして活用できないかと考えているところです。機能の改善やメンテナンスを含め、DIVAには引き続き支援をお願いしたいと思っています。」

※取材年月 2014年8月
※文中に記載されている数値など情報は、いずれも取材時点のものです。
※本記事は当社商号が「株式会社ディーバ」当時に作成されたものです。

会社名:住友ベークライト株式会社
本社所在地:東京都品川区東品川二丁目5番8号 天王洲パークサイドビル
事業内容:半導体関連材料、高機能プラスチック、クオリティオブライフ関連製品の製造、販売
従業員:単独 2,123名/連結 5,262名(2014年3月31日現在)
グループ会社数:国内10社、海外23社(2014年3月31日現在)
URL:https://www.sumibe.co.jp/


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