投稿日:2024.10.23
投稿日:2024.10.23

グループ経営管理

経営ダッシュボード

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ノウハウ

シリーズ「会議資料作成が不要になる未来とは?」前編:BI・CPMの違いを解説

グループ全体を俯瞰して管理することは、最終的に企業価値の向上につながる重要なテーマです。そのために事業別の採算性や投資効果を確認しつつ、グループ全体での効率的な資源配分を可能にする高度な経営会議資料が求められますが、ここに負担を感じている企業は少なくありません。

 

今回は、資料作成の課題と解決策を紐解き、業務効率を改善するBIやCPMの機能、違いについて解説します。

グループ経営管理における評価軸・KPIの課題

グループ経営管理では、データの収集・加工だけでなく、評価・アウトプットにおいても以下のような課題が多く挙がります。

 

● 管理資料をPowerPointやExcelで手作業で作成しており、作業が煩雑である

● 事業部・法人ごとにフォーマットが統一されていない

● データを集めて資料化するのに手間取り、分析に時間がかけられない

 

当社が開催したセミナー参加者を対象に行ったアンケートによると、多くの企業でExcel作業からの脱却を望んでいることが明らかになりました。

 

またCPM(Corporate Performance Management)に対する興味が高いものの、できるだけ自社の既存システムを変更せずに高度化を実現したいというニーズも多くなっています。

 

一方、BI製品を導入済みの企業の中にも、シナリオ作成のようなBIだけでは実現しにくい高度化への支援を必要としている声が多いことも分かりました。

 

これらの課題を解決するには、CPM製品の強みを生かした経営ダッシュボード作成が鍵になります。経営ダッシュボードを活用すると、資料作成そのものが不要になり、大幅な作業効率化を期待できます。

経営ダッシュボードの定義

「ダッシュボード」と聞くとビジュアライズ、すなわち可視化のイメージを持つ方も多くいますが、本来の経営ダッシュボードの定義はそれだけに留まりません。

 

ビジネスインテリジェンス、ビジネスの意思決定に関わる情報を意味するBI製品は、複数データを集約しグラフや数値でビジュアライズする機能を搭載しています。一方、CPM製品は可視化に加え、戦略シナリオ策定・比較が可能です。さらに、事業再編・KPI変更などの変化にも対応できるシミュレーション機能も兼ね備えています。

 

経営会議では、正確な差異分析や予測に基づいて経営の意思決定を行うため、ダッシュボードを見ながら議論するニーズが高まっています。

 

すなわちデータを可視化するだけでなく、そこから経営戦略につながるアウトプットまで行える経営ダッシュボードが理想的です。これらを得意とするCPMの特徴を活かすことで、会議用の資料を作成する必要がなくなります。

 

経 営ダッシュボードとして必要な機能 BI製品 CPM製品
複数の情報源から必要な情報が集約できる
直感的に判断できるようグラフや数値でビジュアライズできる
意思決定するための複数の戦略シナリオ策定シナリオ比較ができる
KPI・予測・事業再編等シミュレーションでシナリオを早く変更できる

 

BI製品とCPM製品の機能的な違い

前項では経営ダッシュボードとして見たときのBIとCPMの違いを紹介しました。ここでは、BIとCPMの機能的な違いについてさらに踏み込んで解説していきます。

予算策定や売上予測におけるシミュレーション

売上予測や総利益予測を正確に行うには、年間成長率や売上原価など変数を用いて計算する必要があります。
BIでは、いくつもの変数を容易に設定することはできません。
一方、CPMの場合は、実績・予算ごとに計算式を変更したり、年度別に変数を可変させたり、設定や計算方法をその都度柔軟に変えられます。

段階利益・KPIレポーティング

BIは各レポートで計算式をもち、管理もレポートごとに分かれています。
そのため、組織やKPIが変更されたら、関連するレポートをすべて再作成しなくてはなりません。

CPMでは、製品単位で売上管理のマスターを保持できるため、組織変更などの変化にも対応できます。また、一元管理により、変更点の反映漏れなども起こらずデータ品質を高く保てます。

集計期間の切替

継続していく事業は、単年データではなく経年データで分析をするのが理想的です。

BIで経年比較を行うには、事前に集計期間を決め、期間ごとに各種数値データを作成する必要があります。CPMでは、数値項目の集計設定をすることで、期間ごとに都度作成する必要なく画面上で期間を切替えて表示できます。

シナリオ策定・比較

BIはダッシュボード画面で新たなシナリオ作成はできないため、データ投入前に比較用データも準備しておく必要があります。
さらに、管理会計の要件が複雑なケースでは、表現方法が限定されたり、画面上での動的な比較は難しかったりする可能性があります。したがって、その場でのシナリオ比較には向いていません。

 

CPMでは、シナリオ追加や変更が後からでも容易に行え、シミュレーションやシナリオ間の比較・検討を画面上で実施できます。

今なお、会議資料作成が無くならない理由

このように手作業では実現できない高度な分析や予測ができるにもかかわらず、従来のExcel・PowerPointに依存した資料作成を続けているケースもまだまだ見られます。

作業への慣れや新たな取り組みへの変更に抵抗があるといった心理的な要因や、既存システムへの影響や新規ツール導入によるコスト、さらに教育にかかる時間などを正しく評価せずに後回しにされている場合もあるようです。また事業部レベルではBIやCPMを使っているものの、経営会議の場面では手作業でバラバラのフォーマットを再度たばねて報告するといった苦労を伴う事例も散見されます。

こうした課題の解消には、経営者および経営会議に関わる層の決意と実行が不可欠です。

まとめ

この記事では、経営ダッシュボードに必要な機能や、BI・CPMの違いを具体的に紹介しました。
経営会議では、いかに深い視点でデータを見られるか、対話しながら新たな示唆を得ていけるかが重要です。CPMの特徴を活用すれば、単なるアウトプットの質だけでなく、その先のアクションプランまで変わっていくでしょう。

経営ダッシュボードで実現できる分析・アクションの具体的なポイントについては、記事後編で紹介します。

※『シリーズ「会議資料作成が不要になる未来とは?」後編:分析の課題と解決ポイントを解説』も合わせてお読みください。
シリーズ「会議資料作成が不要になる未来とは?」後編:分析の課題と解決ポイントを解説

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