投稿日:2024.10.31|最終更新日:2026.03.26
投稿日:2024.10.31
最終更新日:2026.03.26

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データレイクとは?データウェアハウスとの違いやメリットを解説

あらゆる場面でデータの取得が可能となった現代では、日々膨大なデータが生成されています。
経営や日常業務の意思決定において、さまざまなデータをどのように活かしていくか、試行錯誤している企業も少なくないのではないでしょうか。膨大なデータを活用・分析する上で、注目を集めているのが「データレイク」です。
本記事ではデータレイクの概要やその必要性、メリット・デメリットなどの他、データウェアハウスとの違いについて解説します。

データレイクとは、データをそのままの形式で一元管理する保管場所のこと

データレイク(Data Lake)とは、構造化データ・非構造化データを問わず、あらゆるデータをそのままの形式(Raw Data/生データ)で一元的に格納する保管場所です。「Lake(湖)」のように、さまざまなデータソースからデータが流れ込み、蓄積されていくイメージで捉えるとわかりやすいでしょう。

格納されるデータは、大きく「構造化データ」「非構造化データ」の2種類に分かれます。
それぞれの概要は、下記のとおりです。

■ 構造化データと非構造化データの概要

種類 概要
構造化データ 行と列で整理されたデータ 売上データ、顧客マスタ、会計データ
非構造化データ 一定の形式を持たないデータ 文書、画像、動画、音声、ログデータ

データレイクはなぜ必要なのか?

企業のIT化とDX(デジタルトランスフォーメーション)が進む中、データレイクの必要性が高まっています。主な理由は次のとおりです。

<データレイクが求められる理由>

膨大なデータを適切に管理・活用するため

データレイクはIT化やデジタル技術の進歩に伴い急増する多種多様なデータを一元管理するための基盤として必要です。
IoTデバイスのログデータやテキストデータ、SNSの投稿、画像・動画といった非構造化データの活用価値が年々高まっており、これらをそのままの形式で取り込めるデータレイクは、増え続けるデータを管理・活用するための土台として有効です。

経営に関する精度の高い意思決定を行うため

データレイクは、客観的なデータに基づいた精度の高い経営判断を実現するためにも欠かせません。
変化が激しく不確実な現代においては、経験や勘だけに頼らず、データに基づく分析・予測が重要です。AIや機械学習の進展により加工前の生データを活用した高度な分析ニーズも増えており、データレイクに蓄積された生データを多角的に分析することで、スピーディかつ精度の高い意思決定が可能になるでしょう。

データマイニングの準備に必要なため

データレイクは、データマイニング(Data Mining)の準備につながる点でも重要とされています。データマイニングとは、収集された大量のデータから有用な情報や傾向、法則性を見出す技術のことです。データマイニングを活用できれば、日々蓄積される大量のデータを意味のある情報に変換し、意思決定に役立てることもできます。

データレイクとデータウェアハウス(DWH)の違い

データレイクと混同されやすいものとして、データウェアハウス(Data Warehouse/DWH)があります。
データレイクもデータウェアハウスも、大量のデータを格納し、管理するという点では同じです。ただし、データウェアハウスは取り入れるデータ形式を事前に定義する必要があり、主に規則性を持った構造化データしか格納できません。その分、目的別や時系列順にデータを整理・構造化しやすいため、高い検索性がメリットです。また、すでにデータが整理されていることから、データレイクのデメリットであるデータ分析の手間も軽減できます。

一方で、データレイクは構造化データも非構造化データも、元の形式のまま一元管理することができます。そのため、データの収集と蓄積を得意とし、企業が持つさまざまなデータを保管する格納庫として有用です。

データレイクとDWHの違い図

データレイクとデータウェアハウスの特徴や役割の違いは次のとおりです。

■ データレイクとデータウェアハウスの特徴

データレイク データウェアハウス
収集データの種類 形式を問わない(構造化データ・非構造化データ) 構造化データのみ
データの状態 未加工データ 加工済データ
得意なこと データの「収集」と「蓄積」 データの「整理」と「分析」
内容
  • 取り込むデータの形式は、事前定義が不要

    分析の目的などに応じたデータ加工ができる

  • 取り込むデータの形式は、事前定義が必要

    データが加工されているため、スピーディな分析ができる

なお、データレイクとデータウェアハウスは、どちらが良い悪いではなく、目的に合わせて使用することが大切です。
例えば、未加工のデータはデータレイクに格納しておき、効率的な分析やレポーティングが必要なものは、データを整形・加工してデータウェアハウスに保管しておくなど、用途に応じて使い分けましょう。

データレイクを利用するメリット

データレイクを利用するメリットとしてはどのようなものがあるでしょうか。ここでは、主な四つのメリットについて解説します。

<データレイクを利用するメリット>

データの形式を問わず格納できる

データレイクを利用するメリットの一つは、さまざまな形式や構造のデータを、加工せずにそのままの形で格納できることです。
企業が扱うデータは多様ですが、部門によって扱うデータ形式が異なるケースも少なくありません。そのため、部門をまたいだ情報を取り扱うためには、加工が必要になるケースもあるでしょう。データレイクはデータの形式を問わずそのまま格納できるため、組織内の横断的な情報共有も可能となります。
また、必要なタイミングでデータを取り出し、その都度、分析の目的に合わせて形式を加工することもできます。

大量のデータを一元管理できる

データレイクは、部門ごとに散在していたデータを一箇所に集約し、全社横断的なデータ活用を可能にします。
「マーケティング部のデータと営業部のデータを突き合わせたいが、システムが別々でできない」といった課題を解消し、管理コストの削減や必要なデータへのアクセス効率の向上も期待できるでしょう。これにより、全社員が必要なデータを参照・活用できる「データの民主化」を促進します。

多種多様なデータを用いた分析が可能となる

データレイクは形式を問わず多種多様なデータを格納できるため、経営管理システムでデータを整理・加工した上で、機械学習やBIツールといった分析ツールと連携することで、それらのデータを組み合わせた多角的な分析が可能になります。
業界動向の予測や意思決定のサポートといった高度な活用も期待できます。さらに、ストリーミングデータをリアルタイムに取り込み、分析基盤と組み合わせることで、ECサイトでの顧客行動ログをその場で分析してレコメンドを行うといった施策も実現でき、市場の変化に素早く対応するデータドリブン経営の推進に大きく寄与するでしょう。

※データドリブン経営については下記をご参照ください。
【ビジネスアナリティクスの専門家に聞く】データドリブン経営の重要性とは?

将来のデータ活用の備えになる

現時点では用途が決まっていないデータでも、とりあえず保存しておくことで、将来新たなビジネス価値を生む可能性があります。
ストレージコストの低下により、データを捨てずに保存しておくことが経済的にも可能になりました。蓄積されたデータは、将来AIや機械学習の技術がさらに進化した際に、貴重な学習データとしての資産価値を持つことになります。

データレイク活用の課題と注意点

ここまでデータレイクを利用するメリットを挙げてきましたが、下記のような課題や注意点もあります。メリット・デメリットの両面を理解した上で、データレイクを利用することが大切です。

<データレイク活用の課題・注意点>

データスワンプに陥る可能性がある

データレイクの有用性を発揮・維持するためには、データスワンプ(データの沼)に陥らないことが重要です。データスワンプとは、データが無秩序に蓄積されて管理が難しくなる状態を指し、データレイクの対比語としても用いられます。

データレイクには、多様なデータをそのまま格納できるため、柔軟性の高いデータ管理が可能です。しかし、適切な管理が行われなければ、データスワンプに陥り、どこにどのようなデータがあるか分からなくなってしまいます。その結果、分析の際に必要なデータの所在が分からない、そもそも何の目的のために生成されたデータなのかが分からない、といったことが起こる可能性があるのです。

保管期間が長くなるほど、データの生成目的や活用方法が不明瞭になるため、データスワンプに陥るリスクが高まるでしょう。
データレイクを導入する際には、データの管理・分析方法などをあらかじめ検討しておき、データの価値を損なわない仕組みが必要です。組織内のデータ管理体制を統制するルールとしてデータガバナンスを設け、それに従ってデータを管理・運用するデータマネジメントの取り組みが重要だといえます。

データの分析に手間がかかる

データレイクは多角的な分析を可能にする一方で、分析に手間がかかるケースもあります。なぜなら、データレイクには構造化・非構造化問わずさまざまな形式のデータが混在しており、必要なデータを特定したり分析に適した形に加工したりする手間がかかるためです。
また、データの加工には知識やスキルが必要とされるケースも少なくありません。

データレイクに保管したデータの分析をスムーズに行うためには、他のツールを導入・活用することも一つの手です。例えば、データ品質の向上につながる「データクレンジング」が行えるツールを活用することで、分析の手間を軽減できるでしょう。

セキュリティとプライバシーのリスクがある

全社の膨大なデータが集まるデータレイクには、機密情報や個人情報も含まれる可能性があるため、セキュリティ対策には十分な注意が必要です。
情報漏洩のリスクに備えるためには、「誰が、いつ、どのデータにアクセスできるか」という権限管理を厳格に行うとともに、データの暗号化や監査ログの取得なども徹底しなければなりません。セキュリティ体制が不十分なまま運用を開始すると、リスクにつながる恐れがある点を念頭に置いておきましょう。

業界別データレイクの活用例

データレイクは実際にどのようにビジネスに貢献しているのでしょうか。ここでは、代表的な三つの業界における活用事例をご紹介します。

<三つの業界の活用事例>

製造業:IoTデータによる予知保全と歩留まり改善

製造業では、工場の設備に取り付けられたセンサーから送られる膨大な振動・温度・圧力・画像データなどを、リアルタイムにデータレイクへ収集・蓄積しています。

蓄積されたデータをAIが分析することで設備の異常の予兆を検知し、故障前にメンテナンスを行う「予知保全」の実現が可能です。突発的なライン停止の削減はもちろん、製造条件と品質データの相関分析による歩留まりの改善にも役立てられています。

小売業:顧客行動の可視化と需要予測

小売業では、実店舗のPOSデータとECサイトの行動ログ、会員アプリの利用履歴などをデータレイクに統合し、顧客一人一人の行動を可視化するといった活用が見られます。天気予報やSNSのトレンドといった外部データも組み合わせることで、分析精度をさらに高めることが可能です。

金融業:非構造化データを用いた不正検知と与信モデル

金融業では、勘定系の取引データにとどまらず、コールセンターの通話音声ログやWebサイト上のマウスの動き・入力速度、デバイス情報といった非構造化データをデータレイクに蓄積して活用するケースもあります。
こうしたデータを機械学習で分析することで、従来のルールベースでは見抜けなかったマネーロンダリングやクレジットカードの不正利用を、リアルタイムに検知することが可能になりました。また、財務情報だけに依存しない多様なデータを活用したAI与信モデルにより、より精緻な与信審査の実現にも応用されています。

経営管理におけるデータレイクの活用例

経営管理の領域においても、データレイクの活用が進んでいます。経営管理を高度化し、データから真の価値を引き出すためには、経営判断を前提としたデータ設計に加え、経営管理システムでデータを整理・加工した上で、BIツール・分析アプリケーションとの連携する仕組みが不可欠です。
ここでは、経営管理におけるデータレイクの活用例をご紹介します。

<経営管理における活用例>

全社KPIダッシュボードの構築

売上・経費・人事・顧客データなど、部門ごとに散在していたデータをデータレイクに格納し、経営管理ソフトウェア等と連携することで、経営層がリアルタイムで業績を俯瞰できるダッシュボードの構築が可能です。部門横断での異常検知や予算実績の比較もシステム上で完結するため、経営判断のスピードと精度の向上に役立てられています。

需要予測・トレンド分析

過去の売上実績に加え、気象データやSNSのトレンド、顧客の購買履歴といった多様なデータをデータレイクに集約することで、精度の高い需要予測が可能になります。
季節変動や市場トレンドをいち早く捉えた生産・仕入れ計画の策定など、データに基づく先手の経営判断に活用されています。

顧客分析

CRMデータや購買履歴、Webサイトの行動ログ、問い合わせ対応履歴などをデータレイクに統合することで、顧客ごとの収益性や離脱リスクを可視化できます。
優良顧客への重点アプローチや、離脱の兆候がある顧客への早期フォローといった、一人一人の状況に応じたきめ細かな対応が可能になるでしょう。

企業価値向上のための経営管理システム
AVANT Cruise

経営管理において必要な財務・非財務情報を収集・統合し、多軸分析を行えるクラウドサービスです。1,200社超の支援実績から生み出された経営管理機能を持ち、データを収集する入力画面や、 90 種類の経営会議レポート・分析帳票などを標準搭載。設定のみで利用できます。

データレイク導入時のポイント

データレイクの導入を成功に導くためには、事前の計画が重要です。ここでは、データレイク導入時に押さえておきたい二つのポイントを紹介します。

目的を明確にする

データレイクを導入する際に最も重要なのは、解決したい課題や取り組むべき経営上の問いを明確にした上で、データレイクの設計を始めることです。
目的が曖昧なままデータを集め始めると、データスワンプに陥るリスクがあります。経営の意思決定スピード向上や特定業務の自動化など、目的に応じて必要なデータを定義し、適切なアーキテクチャの検討が求められます。

スモールスタートで導入する

最初から全社のあらゆるデータを統合しようとするアプローチは、設計の複雑化や想定外のコスト増を招きやすく、プロジェクト失敗の一因となります。
AWS・Azure・Google Cloudといったクラウドサービスを活用することで初期投資を抑えられるため、まずは限定的な範囲での立ち上げが現実的です。
マーケティング分析や工場の予知保全など、効果を可視化しやすい領域から着手し、成果を検証しながら段階的に適用範囲を拡大していくアプローチが、リスクを抑えた導入として有効です。

第3の選択肢 データレイクハウスとは

近年、データレイクとデータウェアハウスの長所を兼ね備えたデータレイクハウス(Data Lakehouse)という新しいアーキテクチャが注目されています。

データレイクハウスは、データレイクの柔軟性・低コストと、データウェアハウスの管理機能・高いパフォーマンスを統合したものです。具体的には、安価なクラウドストレージ(データレイク)の上に、データウェアハウスのようなデータの信頼性や品質を管理する構造化レイヤーを設けることで実現されます。

これまで、データレイクとデータウェアハウスを別々に運用することで以下のような課題を抱えていましたが、データレイクハウスでは単一のプラットフォーム上で、BIとAIの両方のワークロードを実行できるため、これらの課題を解決し、データ分析基盤の統合と効率化の推進が可能です。

<これまでの課題>

  • データのサイロ化と重複

    コスト増大

    タイムラグ

今後のデータ基盤構築においては、データレイク単体やデータウェアハウス単体ではなく、データレイクハウスへの移行も有力な選択肢となるでしょう。

データレイクの活用で企業の競争力を高めよう

IT化やデジタル技術の進歩などにより、企業が取り扱う情報量は大きく増加しています。同時に、機械学習の発展など、データを最大限活用できる環境も整ってきました。
経営や日常業務の意思決定でデータを活用して企業の競争力を高めるためにも、データレイクの活用は、ますます必要になっています。増加する多様なデータを一元管理し、活用するための土台を整える際には、データレイクの導入を検討しましょう。

なお、現在データが散在しており、データの収集から報告まで多くの時間を要しているという課題をお持ちの方には「AVANT Cruise」がおすすめです。
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企業価値向上や経営管理高度化の実現に際し、ぜひご検討ください。

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