連結原価管理
連結原価管理とは
連結原価管理とは、1つの製品で製造工程が複数の生産拠点を跨ぐ企業の場合、工場毎に製品原価を把握することは出来ますが、各工場の内部利益が含まれ最終的な製品として完成し販売されるまでにかかる原価がどれだけかかっているのかがわかりずらくなっており、製品ごとに見たときのコスト構造を把握できないといった問題が生じます。連結ベースでのコスト構造が把握できないため、グループ全体の視点かつ製品ごとで見たときに利益は生まれているのか、販売価格は適正に設定されているのか、価格競争を強いられたときにどこまで値引したらグループとして利益がでるのか、といった検討が出来なくなってしまいます。
このソリューションでは、この問題を解決するために各工場の原価明細や標準原価を使用し、製品の連結原価算定をして連結原価を求めることが出来ます。
いま何故連結原価管理が求められているのか
ビジネスを国内から海外に拡大する企業が年々増えている中で、生産の拠点を海外に移した企業も多いと思います。しかし、商品毎に見たときに本当にコストは減ったのかがわかりにくくなってしまった企業も同じく増えていると思います。製造工程が複数の拠点にまたがることで各拠点の利益が上乗せされてしまい、逆に最終の販売拠点の仕入額が増えてしまうといった矛盾が起きるだけではなく、各拠点の内部利益が含まれ仕入額があがることにより価格競争力が下がってしまい結果的にシェアを落としてしまうことにもなりかねません。
そういった課題を解決するために連結ベースでのコスト構造を正しく把握することで個社最適な採算管理から、グループ最適な採算管理へと変えていく必要があります。
連結原価管理の目的、解決される経営課題
目的
グループ全体でのコスト(連結原価)を正しく把握することで、商品毎の採算性を向上させ、グループ全体最適な採算管理ができ、稼ぐ力を向上することができます。
解決される課題
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①連結ベースでの損益分岐点がわからないため、グループとしてどこまで値引してもよいかの判断がつかず価格競争で他社に負けてしまう
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②海外へ生産拠点を移したが、コスト削減できたのか、商品毎に儲かっているのがわからない
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③粗利で販売管理しているため物流費、インセンティブ等の変動販売費を含めた変動費構造を把握できておらず、限界利益では赤字になる
連結原価管理を成功させるための重要ポイント
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POINT1 活動に紐づいた原価構成を把握すること
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工場別に1個あたり製造コストを算出し、標準・実際原価ベースで数量に比例した製造費用を算出できること
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POINT2 企業の商流・物流とデータ整備状況に合わせた原価方式を採択すること
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弊社では連結原価を算出するために直接連結方式を採用した連結原価算定が可能。また、連結原価計算は主に3つあり、お客様の取り扱う製品やデータの整備状況にあった計算方式を採択しロジックを実装すること。
連結原価計算方式
①単価積上げ方式
②ころがし計算方式
③連結BOM方式
※どの原価計算方式が適切かは、弊社コンサルタントにご相談ください。
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