経営ダッシュボード

経営ダッシュボードとは

飛行機の操縦などで必要となるメータ類が集まった「計器盤」を指しますが、データ活用でも様々なデータをわかりやすく1画面で表示したものをダッシュボードと呼びます。

グループ経営管理においては、取締役会や経営会議などの場でタイムリーな状況判断・意思決定が必要となりますが、そのニーズに応え、グループ全体の様々な経営情報の中から有用な情報を抽出しビジュアル化した画面が「経営ダッシュボード」です。

日本では経営管理の場でもまだまだExcel文化が根付いていますが、世界に目を向けると「経営ダッシュボード」が当たり前の時代になっており、日本でもDX意識の高い先進的な企業ではExcelから「経営ダッシュボード」への転換が進んでいます。

経営ダッシュボードからはじまるDX化アプローチ

DX化における経営ダッシュボードの特徴

経営ダッシュボードの主な特徴は二つあります。

ひとつ目は、様々なガイドラインが公開されるなか、注視すべき経営管理指標やその算出方法が明確になり、また事例も増えてきたことから、経営ダッシュボードに盛り込むべき指標やオブジェクト(グラフ、散布図など)がテンプレート化されてきたことです。

ふたつ目は、連結会計/経営管理システムをすでに利用されている場合、すでに蓄積されているデータを即活用できるため、グループ各社から新たにデータを集めることなく経営ダッシュボードの利用を開始できることです。

アジャイル経営のスターティングポイント

近年、外部環境の変化の加速に対応する手法として「アジャイル経営」がメジャーになってきましたが、この観点でグループ経営管理のDX化を考えると「今あるデータの活用」は最短で効果を出せる取り組みとなり、上述の「経営ダッシュボード」の特徴と掛け合わせると、その導入はグループ経営管理のDX化におけるはじめの一手として最適な選択肢の一つとなります。

次期中期経営計画における管理指標などを考える上でも、実績データをビジュアル化し振り返ることで、数値の一覧だけでは見えにくい気付きから、より戦略的なKPI設定を可能とします。

経営ダッシュボードの導入における重要ポイント

  • 誰が、いつ、どのように利用するのか?

    • 経営会議で当年度実績の振り返り時に重要指標をドリルダウンして参照する、事業責任者が事業部の着地見込みを検討するうえで顧客・製品などの多軸での進捗度を参照するなど、誰がどのようなシチュエーションでどのように活用するかのイメージが具体的であるほど、導入効果も高くなります。

  • 経営ダッシュボード? or 事業ダッシュボード?

    • 経営者がKGI・KPIレベルで意思決定を行うのか、事業責任者が目標値の達成のために意思決定を行うのか、目的により参照すべき指標や必要となるデータは異なるため、目的に応じてダッシュボードを区別する必要があります。

  • 適切なオブジェクトでの表現で!

    • 散布図なのか、グラフなのか、グラフであっても折れ線か積上げ棒グラフかなど、素早い判断に導くためにはどのようなオブジェクトで表現するかはとても重要です。

  • 変化し続ける事を前提とする

    • 外部環境・内部環境に変化に伴いモニタリングすべき指標は変化していきます。変更しすぎることは内部の混乱を招きますが、少なくとも年に1回は振り返りを行い必要に応じて管理指標の変更が発生することを前提に、仕組みとしても柔軟性を持っておく必要があります。

経営ダッシュボードの仕組み

経営ダッシュボードの仕組み

経営ダッシュボードは、グラフや表など様々なオブジェクトを配置し、画面上で決算期やセグメント・会社などの条件を切り替えて参照したり、特定の項目についてドリルダウン(より詳細な階層レベルで集計項目を参照)することで、注視したい情報に素早く辿り着くことが可能です。

経営ダッシュボードの仕組み

経営ダッシュボードは構造や運用が複雑なように思われがちですが、例えば図のサンプルの場合、元データは下にあるテキストファイル1種類だけで作成されており、このテキストファイルを差し替えるのみで経営ダッシュボードの全画面も最新の情報に更新されるというシンプルな運用が可能です。

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